コロナ禍でピカピカの1年生になった息子。自粛生活が明けて毎日登校するようになり、早1ヶ月が過ぎた。
長く続いた休校を言い訳にして、通学準備を怠っていた我が家は、実のところ、未だに一人で通学できない。
家から学校まで、子どもの足で歩いて20分ほど。そんなに複雑な道ではないものの、今まで一人で出歩くことなんて全くなかったのだから、不安なのも無理はないかなと思う。
学校が始まって早々に一人で通学している同級生たちを横目に見ながら、3週間ぐらいかけてじりじりと、一人で歩く距離を伸ばしてきた。そして最近ようやく、家を出て30mぐらいのところにある歩道橋の下まできたのだ。
「今日は、ここで、いい。」
歩道橋の下でそう言った息子の少し緊張したような顔を見て、「え、ほんとに?そうなの?まじ?えらい!すごいじゃん!めっちゃかっこいい!よし、行ってこい!!がんばって!!!」と朝っぱらから大興奮の母。
重いランドセルを背負って一歩ずつ踏み締めるように歩道橋を上っていく後ろ姿を見送りながら、思わず目頭が熱くなった。まるで出征する息子を送り出す母の気持ち。
えらい、えらいよ…!時間がかかっても、少しずつでも、成長してる…!成長しようとしてる…!それだけで素晴らしいじゃないか…!!

いやしかしこれ、一人で通学してくれたら相当楽になるな…下の子の送り迎えはあるにしても、送迎が一箇所で済むってだいぶ違うよな…これはもしや卒乳に次ぐ子育て大革命かもしれない…コーヒーが冷めない内にゆっくりのんびり飲めるかもしれない…ぶつぶつ…

とらぬ狸の何とやらで、目前に見えてきた”余裕のある朝”にすっかりその気になっていた私。
しかしまぁ、そこからが長かった。
「明日は家の前から一人で行く!」なんて意気込んでいたのに、どうも様子がおかしい。朝息子に「どうする?」と聞くと、少し考えてから「まだ。」とだけ答えて、黙々と歩いて行く。結局、歩道橋の下まで付いて行くことになった。
次の日も、その次の日も、「まだ」。
なんなら歩道橋の向こう岸まで付き添いが延びる日もある。
まぁ、でも、別にいいか、と思っている。
まわりの一年生は一人で通ったり、お友達と待ち合わせしたりしているけれど。どうやらうちの息子は慎重派のようだ。息子の不安がなくなるまで、焦らず見守って行こうと決めた。
三歩進んで二歩下がる、それでいいじゃないか。
新聞片手に熱々のコーヒーを飲む優雅な朝を夢見ながら、今日も歩道橋のこっち側とあっち側を、行ったり来たりしている。
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