昨日の体育の日、我が家は息子の幼稚園の運動会でした。
息子の幼稚園は運動に特に力を入れていて、いわゆる普通の運動会とは種目もちょっと違います。写真を見た友人には「運動会というより中国雑技団!」と言われました。…なんとなく雰囲気伝わりますか?笑
息子は決して運動ができる方ではないんです。まわりのお友達にはもっともっと足の速い子もいれば、逆立ちでひょいひょい歩いちゃう子もたくさんいます。でも息子のすごいところは、黙々と「自分の目標」に向かって努力するところ。
「逆立ち歩き5歩できるようになったよ!」
「ぼくは逆立ち歩きが10歩できるようになりたいんだよ!」
まわりと比べて卑屈にならないって、けっこうすごいことだと思うんです。子どもなりに「○○くんは跳び箱12段とべる」とか「○○ちゃんは足が速い」とか、一目置いてるところはあるようです。でも絶対に「ぼくなんか…」とは言わない。これはまわりと比べずにその子が持っている力を最大限伸ばそうとして下さる、先生方の日頃のご指導の賜物だなぁと思います。
そんな息子が今回の運動会でクラスのリーダーに選ばれました。リーダーと言ってもクラスの人数は10人程です(もともと少人数でしたが幼稚園の移転がありさらに少なくなっていました)。ですが会場に向かう車の中で、息子がめずらしく「きんちょうしてきた…」なんて言っていました。息子なりに責任のようなものを感じているのでしょうか。
運動会がはじまり、リレーや他のクラスの体操競技が披露され、いよいよ息子のクラスの体操競技の番です。リーダーである息子のかけ声を合図に、走り側転、ブリッジ回転、逆立ち歩き等、子ども達のアクロバティックな演技が組み合わさってかなりの見ごたえ。まさに中国雑技団!笑
後半に、ブリッジ歩きチームが先に進んで床に横たわって道を作り、その上を逆立ち歩きチームが(横たわっている子の身体を両手で挟むようにして)進む…という演技があったんです(わかりにくいですね…)。
これって言い方は悪いんですが、要は逆立ち歩きがまだできない子たちが、下の道を作ってるんですね。もちろん息子は道の方。この息子を見た瞬間、私は涙が止まらなくなりました。ピンとまっすぐ手足を伸ばして床に伏せた息子の姿。そこには、たとえ花形じゃなくても、脇役でも、自分に与えられた役目を精一杯全うする、息子の「本気」がありました。
そのひたむきな姿を見て、ハッとしました。あぁ、比べていたのは私の方だ、と。
○○くんは逆立ち歩きができるのにうちの息子はできない、○○ちゃんは足が速いのにうちの息子は遅い…無意識に比べて、「同じ時期に入園してるのにどうして?」と、どこかで苛立っていたような気さえします。
なんて浅はかだったんだろう、なんて失礼な考えをしていたんだろう。息子はあんなにも誇りをもって自分と向き合っているのに。
自分の目標を掲げ、そこに向かってただひたすら努力を続ける。まわりの友達と決して比べず、過去の自分とだけ比べて、日々のわずかな成長に目を向ける。
仕事や人生そのものも通ずる、大切なことを、息子に教えられた気がします。
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