私にはママ友がいない。
娘の保育園でも、息子の幼稚園でも、どちらも同じクラスのLINEグループには入っている。会えば挨拶もするし、ちょっとした立ち話ぐらいはする(そもそもお迎えの時間がずれているのであんまり会わないんだけども)。
息子の幼稚園のママ達とは、年度末にはクラス会と称してママたちだけで飲みに行ったりもした。決して仲が悪いわけじゃないけれど、お互いの家に遊びに行ったり、週末に一緒に公園に行ったり、そういうママ友がいないのだ。
ちなみに今ここで言うのは“子どもという入り口から入って仲良くなった友達”という意味でのママ友のこと。同じ年頃の子どもがいる昔からの友人たちとはよく遊ぶ。子ども同士も仲が良いし、一緒に旅行に出かけることもある。
だから決して寂しいとか、困ってるとか、そういうことではないんだけれどッッ。(強がり)
「○○くんと△△くん、きのういっしょにばんごはん食べたんだって」
何の気なしに言ってくる息子の言葉に、胸がチクッとなったりもする。
「私がもっと上手にママ友付き合いができていれば、息子もお友達ともっと仲良くなれたのかもしれない」
「私がうまくママ友付き合いできていないせいで、息子は仲間はずれにされているのかもしれない」
私の中のネガティブアメーバがじわじわと増殖してくる。
娘の保育園でも、まわりよりも1年遅れで入園したせいか少し出遅れている感がどうしても払拭できず、さらには「シングルマザー」という壁が思った以上に高く(これは自分が勝手に高くしているだけ)、なかなか打ち解けられない。
「別にいいもん」なんて思いつつ、インスタで他のママ友たちが一緒に旅行に行っているのを見つけては、羨ましくてやはり胸がチクッとなったりする程度には面倒くさい性格なのだ。
(ちなみにインスタはフォローしているわけではなくて、たまたま見つけて覗き見しただけ。恐るべしストーキングアメーバ。)
そして対照的なのがうちの母。ママ友付き合いがとても上手で、特に私の姉たちが通っていた幼稚園のママ友との仲の良さが尋常ではない。
姉とその友達はもう40も過ぎてみんな孫もいるのに、未だにランチを一緒にしたり、音楽会に行ったり、連絡を取り合っている。
それだけじゃなくて何がすごいって、私の父が破産をした時のこと(私の両親はその後離婚している)。今思えば夜逃げ同然で家を出て、親戚の家に逃げ込んだのだけれど。その時の荷づくりやら何やらを一緒にやっていたのが、母のママ友たちなのだ。
ママ友に夜逃げを手伝ってもらう…?
ランチや公園すらご一緒した経験がない私にはもう次元が違い過ぎてポカーンとなってしまう。
「あの頃は子育てしかしてなかったからね~」
「必死だった分、絆が深まったのかもしれないわねぇ」
大学を卒業してすぐに他県から嫁いで来た母。友達も親戚もいない土地で子育てをする母にとって、ママ友たちの存在はどれだけ大きく、救いだっただろうと思う。
いやでもそれにしたって夜逃げの手伝いはなかなか頼めなくないか?…やはり母のママ友コミュ力最強説。
どこかでその絆が羨ましかったのか、トチ狂った私は息子の幼稚園の謝恩会の担当決めで最も負荷が高いと思われる卒園ビデオ制作に手を上げてしまった。我ながらそこじゃない…!
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