私は“気にしぃ”だ。自分の言動によって相手がどう思うかということを常に気にして生きてきた。昔からよく「気を使いすぎる」と言われていたけれど、今思うとそれってすごくいい表現に変換してくれていたんだなぁと思う。
結局のところ、私は“相手がどう思うか”ではなくて“自分がどう思われるか”を気にしていたのだ。相手の顔色を伺って、相手の反応の中のありもしない行間を読んで、どう思われるかヤキモキして…それってものすごく疲れるし、そんなにエネルギーを使うのに、相手も自分も、誰もハッピーじゃない。
そんな私が、今の会社に入ってから教えてもらったことの一つに、「自分がどうにかできる範囲を見極める」というのがある。
自分の言動で相手がどう思うか、どういう反応が返ってくるのか、それがいいのか悪いのか…自分ではどうにもならないことまでぐるぐる考えて身動きとれなくなっている時、
「私にできるのは、ここまで。」
と、実際に自分の前に手で線を引くのだ。 そして、
「ここから先は、相手が決めること。」
そう言い聞かせる。だから私は、線を引いた手前の“私ができること”の内側を精一杯やるだけ。内側にベストを尽くすこと、そこだけに集中する。
教えてもらったのはあくまでこの考え方のことで、実際に線を引くジェスチャーは、私が勝手におまじないのように使っているだけなのだけど。笑 ちょうどバレエの「アンナバン」のポーズに近い感じ。
ぐるぐる考えてがんじがらめになった時、ひと呼吸おいて、このポーズ。両手をザリガニみたいにパカパカ開いて、線を引く。
そして内側を守るような気持ちで、「私にできるのは、ここまで。」とつぶやく。
そうすると、不思議な程に肩の力が抜けて、”あちら側”のことはスーッと送り出せるのだ。
ほんの少しのおまじないで、人生はとても生きやすくなるのかもしれない。
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