思うこと

食べたいと思える幸せ

私は産後太った。

正確に言うと離婚後、太り直した。

産後は病気したこともあり、20日間以上に及ぶ規則正しい入院食生活のおかげで、体重も妊娠前ぐらいにはわりとすぐ戻った。

その後も投薬を続ける為に娘は母乳ではなくミルクで育てることになり、いわゆる授乳ダイエット=「いくら食べても太らない」という魔法のくすりがなかったにも関わらず、妊娠前より体重が増えることはなかった。

要は食欲がなかったのだ。

退院後初めて友人と会った時、やつれた私が夫との不仲を嘆きながら“ランチを残して”しかも“デザートを注文しない”のを見て、友人はようやく事の深刻さを理解したらしい。笑

あの頃は何を食べても美味しくなかった。

そして退院後、底辺まで落ちた体力で挑む家事育児の中で最も辛いのが、「献立を考えること」だった。

冷蔵庫の中を見ても、スーパーに買い物に行っても、「あ、あれ作ろう」という気持ちにならない。何も思い浮かばない。それまでも献立を考えるのは面倒だったし、いつもクックパッド頼みだったけど。この頃は本当に、しんどかった。

献立のことを考えると思考が停止した。

元夫は食にうるさかったし、仕事柄、糖質やら何やらを気にするので、炭水化物無しのおかずだけで最低でも3品は作らないといけなかった。まぁこれも、今思えば明確に「そうしろ」と言われた訳ではなく、私が自ら課していただけなのだけど。

でももし私が「作るのしんどいから何か買ってきて」と言ったら、パパッとそこらへんにある牛丼やファーストフードのテイクアウトを買ってきてくれる…なんていう訳にはいかず、ウーバーイーツでデリバリーできる美味しいお店を検索し出すか、近所で自分が行きたいレストランを検索し出しただろうと思う(実際過去にそういうことが何度もあった)。

それは決して子どもが行きやすいお店や食べやすい物、なんていう基準ではないから、結局そっちの方が疲れてしまう。そこに口を出して意見したり、そのやりとりをまた夫としなければならないことを考えると、疲れはより一層増す。やっぱり自分で作った方がいい、と思うのだ。

息子は幼稚園の給食で栄養とってきてくれるから、あとはうどんでもなんでも息子が喜んでお腹がいっぱいになればそれでいい。娘は粉ミルクだから食事はいらない。私は最低限エネルギーをチャージできるならカップラーメンか卵かけご飯で十分。なんなら食べなくたっていい。

だから元夫から「今日はごはんいらない」と連絡が来ると、心底ホッとした。

***

なんだか色々思い出してしまったけれど…食べることが楽しくない、考えることも苦痛、ってとても悲しいことだなぁと思う。

おかげさまですっかり元気になった今の私は、毎日食べることをとても楽しみにしている。というか食べまくっている。

会社にいる人が全員食べることが大好きなので、いつも会社に美味しいものが集まってくる。お弁当を食べた後には必ずどこからともなく甘いものが登場するのだ。

献立を考えるのは面倒だけど、前みたいに苦痛じゃない。まずは子どもたちのことだけ考えればいいから、カレーでもパスタでも、子どもたちがよく食べて、なるべく栄養がバランスよく取れるものを作っている。

そしてたまに一緒に食べる母は、何を作っても「美味しい」と言ってくれる。たとえ失敗しても、よく食べる。笑

「苦痛じゃない」って大事。

こうして私は幸せなことに、今日も元気にモリモリ食べて、産後太りならぬ離婚後太りをすっかりこじらせている。

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