私たちが離婚を決めた時、とにかく一番の気がかりだったのは当時4歳になったばかりの息子のことでした。
伝え方も伝えるタイミングもじっくり慎重に考え、話し合い、その結果、幸いなことに拍子抜けするほどスムーズに、穏やかに新生活になじんでくれていました。
よかった、うまくいってる。そう思っていたある日… テレビを見ていた息子が突然、「パパとママは夫婦なんだよねぇ?」と聞いてきました。 内心焦りながらも「うん、そうだよー?」と答えると(説明する際にあえて「結婚」や「離婚」というワードは使っていませんでした)、息子は表情も変えずに「でもなかよしじゃないけどね。」と言いました。
そばにいた母と思わず目を合わせ息を飲み、平静を装いながら「どうしてそう思うの?別々に住んでるから?それともあんまり一緒におでかけしないから?」と聞くと、
「ううん。ただのかおだから。」
と言ったのです。
しばらく理解するのに時間がかかりましたが、要は「笑顔じゃない」ということが言いたかったのです。もちろん「そんなことないよー」とその場では取り繕いましたが、もう母と2人、絶句です。
それまで子供たちの前では絶対にお互いの悪口を言わないよう、絶対に険悪な空気を出さないよう、私は(おそらく夫も)かなり気を付けていたつもりでした。
でも子供たちを迎えに来た夫と顔を合わせる時、ちょっとした伝達事項を確認する時、知らず知らずの内に笑顔ではなくなっていたのでしょう。息子はそれを敏感に感じ取っていました。新生活へ切り替えるのはうまく乗り切った、うまくやっている、そう思っていたところに、肝が冷えるような思いでした。
子供は思っている以上に敏感で、繊細です。改めて、子供たちにきちんと向き合い、心のケアを忘れないようにしよう、と思わせるひと言でした。
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