ご参考までに、離婚のこと

離婚後の苗字、どうする?Part2

以前の投稿に書いた離婚後の苗字どうする?問題。

前回と同様、便宜上、私の結婚前の旧姓を「旧田さん」、結婚後の新姓を「新井さん」だとします。我が家は私が「旧田」で子供たちが「新井」。親子で苗字が違うことになります。

これは元夫とその両親が、子供たちが「新井」の姓を名乗ることを強く望んだからです。これについてはかなり長い時間を話し合いに費やしました。

ちなみに元夫の家系は、実家やそのまわりの土地や財産こそあるものの、何か継ぐべき家業があるわけではありません。でも家長制というか、ものすごく長男意識が強い。元夫は長男であり、息子はその直系の"初孫長男"にあたるわけです。

大前提として、いわゆる監護権に該当する部分、つまり「実際に日々一緒に生活して養育するのは母親である私が行う」、というところは双方で合意はしていました(最初の頃の話し合いでは元夫はそれすら自分がやると主張してきましたが)。経営者である元夫が一人で毎日子供たちの世話をするのは現実的ではないし、元夫の両親も、子供たちを母親から引き離すべきではない、と考えてくれていました。

けれども戸籍と親権(監護権以外の部分)に関してだけはどうしても話し合いは平行線のままでした。相続の問題やら果ては一族のネームバリュー等(義父が一流企業の役員だったので就職に有利だとか何だとか)、そんなことまで言い並べられ、ついには兄妹で苗字を分けるかどうかというところまで考えました。しかし、それは「子供たちがかわいそう」と…。

私に言わせれば財産なんて離婚しようが再婚しようが相続権はあるし(そもそも口を出されるくらいなら財産なんていらない)、苗字が違おうが就職でも何でも助けることはいくらでもできるし(そもそも以下同文)、本当に子供たちのことを考えてくれるなら、生活に差し支えないように母親と同じ苗字・同じ戸籍にさせてくれればいいじゃないか!!!あなたたちの愛情は戸籍に左右されるのか!!!

…と、当時の私は悔しくて涙が出るほど腹が立ちました。でもその時は本当に弱っていました。元夫に責め立てられ、自分を責め、彼らに対して威勢のいいことを言える気力なんて少しありませんでした。弱っているからこそそういう受け止め方しかできなかったのだろうと今では思います。とにかく、私と子供が一緒に生活する。親権を守る。そのことだけを考えて、最終的には戸籍は元夫の方に残すということを譲歩したのです。

たかが戸籍、と思う方もいるかもしれません。けれども、子供たちが私とは違う名前を、元夫の名前を、名乗り続けて行くこと。それは私にとってものすごく辛く、寂しく、苦痛を伴うものでした。

もちろん、私が子供たちに合わせて元夫の苗字である「新井'(ダッシュ)」の戸籍を作ることも考えました。それが一番、今後の生活にも子供たちの気持ちにも影響が少ないからです。けれども元夫側からもそれを打診された時に、明確に「それは違う」と思いました。

元夫の名前を名乗り続けて行く人生が、元夫にそんなことまで口を出される人生が、この先どうなって行くのか。想像した時に、これは親権と同じぐらい死ぬ気で守らなければいけない、と感じたのです。

そして、私は子供たちと違う苗字で生活して行くことを決めました。万が一、親権を行使して元夫の戸籍から子供たちを移すことになった時のことを考えて(※)、母の戸籍には戻らず、私一人の「旧田」の戸籍を作りました。

※同じ戸籍に入れるのは二世代まで(前述ブログ参照)

実は今回の投稿で一番書きたかったのはこの部分なのですが…この苗字に関する選択について、

私は今、全く後悔していません。

息子の小学校入学の願書や行政のあらゆる手続きで不便や不都合はあります。なんなら母と同じ会社で働いているので「旧田」が2人もいると社内では不都合しかありません。笑

それでも、たとえ子供たちと苗字が違ったとしても、元夫の姓ではなく、自分の旧姓で生きて行くことを選んで本当によかったと、心から思えています。

「子供たちのために」と思ってとった行動でも、自分の中の尊厳のような何か大切なものを殺して生きて行くことになるなら、それは選ぶべきではないのです。だって、何のために離婚するの!!

離婚届を提出してから最初に戸籍謄本を目にした時、ぽつんと1人だけ寂しそうに書かれた自分の名前を見て涙がこみ上げてきた、あの時の自分に言ってあげたい。

「まちがってないよ!」

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