離婚すると必ず向き合うことになる(あるいは必ず誰かに聞かれる)疑問、それは…
「結婚したことを後悔しているか」
ということ。 こればっかりは本当に人それぞれの思いがあると思います。暴力や暴言で傷つけられて身体や心に傷を負った人は間違いなく後悔しているでしょうし、その傷はそう簡単に癒えるものではないと思います。
私だって(結婚生活の中で楽しくて幸せな時期ももちろんあったけれど)しなくてもいいはずの辛い思いはたくさん味わったし、しんどかった時期を思い返すと今でも気持ちがずんと落ち込みます。そういう時に、20代後半~30代後半の花盛り(?)の約10年間を元夫に捧げたことを全く後悔していないかと言われると、思わず「ぐぬぬ…」と考えてしまいます。
そういう時よく引き合いに出されるのが、子供のこと。「この子たちを授かったのは彼と結婚したおかげ」とか「この子たちを私の人生にもたらしてくれたことは純粋に感謝している」、とか。
批判を恐れずに言うと、私は全くそうは思わないんです。
もちろん子供たちはかわいいし、今の私にとって子供たちがいない人生はもう考えられません。でも、元夫と結婚していなければ独身を謳歌していたかもしれないし、他の誰かと出会ってかわいい子供を授かっていたかもしれないし授からなかったかもしれない。でもいずれにせよ今の子供たちと出会っていないのだから比べようもなく、それはそれで別の幸せな人生を歩んでいたんじゃないかと思うのです。
じゃあ元夫に対して感謝していることは何もないのかというと…それは子供を授かったことでも養ってくれたことでもなく、ふと頭に浮かぶのは、海外赴任に付いて行った中国での生活のこと。これは、私だけの人生を歩んでいたら起こり得なかったことだろうと思います。
上海での日々の生活や出会った人々、語学を学んだこと、バックパックで中国大陸を横断して旅行したこと…当時は慣れない文化に半べそかいて過ごしていたこともありましたが、今となってはものすごくいい思い出なんです。あの彩り豊かな経験は、元夫と結婚したからこそ、経験できたこと。なぜかこれだけは素直に感謝できるのです。
そういえば…離婚の話し合いの最中に元夫が中国にいた時のことをポロッと口にしていたな…「あの頃みたいな、お前がよかった」と。なんだよそれ、子供産んで転勤について回って友達もいない中で育児に追われて、そんな私を全否定して「あの頃はよかった」ってなんなんだよ!!…私のささやかな感謝の気持ちなんて一瞬で吹き飛ぶほどに、腹が立つことは山ほどあります。
けれども、怒りや恨みに捕らわれた人生なんて不幸そのもの。逆にその怒りや恨みを「感謝」に書き換えることができたら、人は必ず幸せになれるそうです。もちろん、並大抵のことではないけれど。
「辛かったことやしんどい思いをしたからこそ私は成長できた。離婚がなかったら今の私はない。だからこそ、元夫に感謝してる。」これ実は、私の母が心から言っている言葉なんです。
私がそう言えるようになるには、あと何年かかるかな…(遠い目)
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